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“データリネージ”の把握が複雑な金融規制順守の鍵に

※本記事は2019年6月28日にGlobal Banking & Finance Reviewに掲載されたジャイルズ・ネルソン博士(MarkLogic社金融サービス担当CTO)のブログの翻訳版です。

近年金融規制が増加していますが(2018年1月のMiFID II施行など)、金融サービス企業が長年の業務で収集したデータを統合・分析・報告することは、極めて困難で時間もかかります。
累積されている過去データは複数ソースに由来し形式もさまざまなため、金融機関はデータのリネージ(履歴)をはっきりと把握できず、複雑な規制における透明性の実現や順守が困難です。

金融サービス企業は、2021年までに374の新しい法律に対応しなければならないとも言われています。
このため、できるだけ早い時期に十分なデータ管理戦略と適切な技術投資に取り掛かる必要があります。
これは現在および将来のコンプライアンス維持に役立つだけでなく、社内データのリネージの概要を把握することで、業務全体にも多くのメリットがもたらされます。
また、「21世紀用のデータ管理戦略が重要である」という点について、経営陣および社内諸部門の主な関係者から賛同を得ることが重要です。

データリネージとは何か?

業務データにはストーリーがあります。過去の情報を分析することで、会社がどのように始まり、時間とともにどう変化し、現在の状態となったのかを理解できます。これには、財務情報や顧客情報だけでなく、これらの情報のこれまでの整理・管理を表すメタデータも含まれます。

データリネージとは本質的には情報の履歴であり、ライフサイクル全体(レコードの作成、あらゆる変更、提供、そしてこの情報が分析・報告に不要になるまで)にわたってトラッキングされています。これはデータドリブンなあらゆるビジネスにおいて重要であり、規制が厳しい業界(金融など)での業務にとっては特に重要です。

コンプライアンスのコスト

規制順守要件により、企業に求められるデータのトラッキングと監査の透明性は高まっています。
キャピタルマーケットを扱う企業では、さまざまな規制(BCBS 239やMiFID IIなど)のリスク管理、データガバナンス、報告においてデータリネージを扱う必要があります。これらの規制は施行からしばらく経っていますが、金融機関は依然、現行の規制要件対応に苦慮しています。というのも、既存のコンプライアンスシステムでは突然の報告要求に対応しきれないことが明らかだからです。

これは、金融機関では大量のデータが別々のサイロに別々の形式で格納されていることが多く、従来の技術では統合が難しいためです。
このような状況では、要求された取引プロセスの360ビュー(全体像)の提示は、特にすぐに報告をしなくてはならない場合には、困難かつ時間がかかります。この結果、英国FCA(金融行動監視機構)などの規制機関に罰金を科せられる事案が多数発生しています。この傾向は今後も続くでしょう。

この問題の解決には、アジリティと柔軟性を実現できる一元化されたデータ管理システムを念頭に置いたデータ統合プロセスが必要です。
ここでの目的はサイロに分断されたデータを複製することではなく、データハブを作成して、元システムからのデータを一元化された360ビューとして統合することです。これが完成するとデータへの素早いアクセス・クエリ・検索が実現され、突然の規制報告要求にも対応できます。

業務の効率化

データリネージを扱い始めるうえでの最大の課題は、経営陣が最初のデータ管理プロジェクトを承認するかどうかということです。
このプロジェクトに予算を付けてもらうには、データ担当マネージャは技術だけでなく業務の面からも説明すべきです。コストを正当化するだけでなく、持続性のあるデータリネージがもたらすビジネスチャンスについて説明する必要があるのです。

データの質と信頼性を改善することにより、ビジネスリーダーたちはデータリネージからの知見を活用できます。
これでより正確な分析・情報に基づく意思決定が実現されます。またデータリネージプロジェクトでは、重複するデータやシステムの無駄なコストの削減や、再利用可能なデータやプロセスの特定ができる可能性もあります。
さらに、データ理解の改善やデータやプロセスの視覚化などを通じたデータリネージからの知見により、新規ビジネスチャンス(新商品/サービスの企画など)の特定が楽になります。

デジタル規制の未来

規制当局が自らのシステムや業務をデジタル変革して陣頭指揮を執りはじめているため、データ統合、また金融機関と規制当局間のリネージの改善による報告の自動化、コスト削減、透明性に関する要件が今後増えていくと考えられます。

規制当局の多くは、旧来のやり方(紙の報告書)からデジタル版報告書や合理化されたデータベースへと、規制報告システムをモダナイズしているところです。規制当局との共同作業を効率化するには、金融機関の方が先行して、デジタルデータリネージ戦略を事前に導入する必要があります。これにより将来のさまざまな規制要件を合理的に満たせるようになるので、将来的なコストと時間を削減できます。

顧客情報、金融取引記録、データ使用を効果的にガバナンスできる技術が追い付かなかった場合、これが致命的な負担になる恐れがあります。複雑な規制要件を満たすうえで、データリネージは極めて重要な役割を担っています。またこれを活用することでコンプライアンスが楽になります。
規制がさらにデジタル化され複雑になるなか、現在および将来のデータリネージを維持するためには、金融機関は自らのデータ管理能力を再度確認しておく必要があります。

Dr. Giles Nelson - Chief Technology Officer – Financial Services | MarkLogic

Giles is currently Chief Technology Officer for Financial Services at MarkLogic where he’s responsible for MarkLogic’s technology go-to-market in financial services worldwide.

Giles has had 20 years of experience in the software and financial services industry. He was previously at Software AG where he had global responsibility for its Big Data and Streaming Analytics business. Previous to that he was at Progress Software where he was instrumental in taking its innovative financial services products global. Giles joined Progress when it acquired the event processing and Streaming Analytics vendor Apama, a company he co-founded which acquired over 150 clients in financial services.

Giles holds a PhD in Computer Science from the University of Cambridge.

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