トレーダーコミュニケーションに関する規制データ管理の4つのステップ

トレーダーコミュニケーションに関する規制データ管理の4つのステップ

投稿日: 2021年3月23 0 Comments

金融市場における不正は、各国の規制当局の悩みの種であり、その規模は世界中で拡大しています。その結果、金融機関に対して複雑な監視要件が課せられています。これは金融機関の取引に関して、社員、顧客、関係者間のコミュニケーションをすべて(メールやチャットだけでなく)収集・保持しなければならないという極めて厳しい規制要件となっています。

ここにおいて、すぐにアクセスできないこともある分散しているデータ(TB規模)が生み出され、これをアーカイブ化する必要が出てきます。

本投稿では、リスクやコンプライアンスに関するデータドリブンなソリューションを提供しながらも、こういった規制要件に効率的に対応する方法について見ていきます。

ここでは、データ統合改善によるコンプライアンス強化に必要なデータプラットフォームを構築するための、4つのステップをご紹介します。

#1 – すべてのマルチ構造情報を統合する(メール、チャット、音声の書き起こしなど)

デジタルコミュニケーションは爆発的に急増しており、規制要件への対応においてメールのアーカイブ化だけでは、もはや不十分です。

トレーダーと顧客の間の過去5~10年分のメールの保管に加えて、コラボレーションツール(TeamsやBloombergなど)上のすべてのやり取り、また通話も残しておく必要があります。

形式を問わずこれらのやり取りすべてを同一のレポジトリに統合し、自社のエンタープライズデータモデルを適用することで、必要な際に検索できる「single source of truth」を効率的に構築できます。

個別のアーカイブソリューションを複数導入する代わりに、データ照合の条件を作成することで、コンテンツ分析および情報抽出がさらに容易になります。

これによりユニークかつ拡張性が高いものが実現できます。異なる形式のデータを統合できるので、規制要件が拡張された場合でも新しい形式や構造のデータに対応できます。

#2 – 顧客/ブローカー/日付別にあらゆるデータにアクセスできるようにする

あらゆるメールを、送信者/受信者/日付/件名さらには本文や添付内の要素に基づいて抽出できる必要があります。この際あらゆる形式(テキスト、Word、PDFなど)が対象になります。

この場合も、メッセージは大量になり、分析が困難になります。しかし、過去の任意の時点におけるトレーダーと顧客のやり取りにアクセスするには、特定の顧客や契約別に容易に抽出できる必要があります。

異なるソースからのデータを、自社のエンタープライズデータモデルに基づく同一のレポジトリに統合することで、特定の顧客/ブローカー/日に関して一貫性のあるビジョンを獲得できます。

つまり、アーカイブ化された情報項目を論理的に相互リンクしておくことで、特定の顧客/トレーダー/日に関する今後の検索が促進されます。

これに加えて、テキスト検索エンジンは、事前定義されたリンクやインデックスとは関係なく、以下に含まれるあらゆる情報に対するリアルタイム検索を行う必要があります。

  • 本文
  • 添付
  • やり取りの記録。通話内容など(書き起こしのアーカイブ化による)

結果の信頼性は言うまでもなく重要です。これは常に質の高いデータが準備されていないと実現できません。

規制要件に透明性を持って応えるには、同一のデータレポジトリにおいてアーカイブを管理することが不可避です。

コンテンツに関連するメタデータを追加・強化することで、過去における異常な照合や動きを特定したり、マネージャや内部監査担当者にアラートを発することもできます。

#3 – データアクセス全体に関するセキュリティを確保する

アーカイブデータへのアクセスでは、適切なデータ保護が必須です。

当然のことながら、規制対応用に保持されているデータは極めて機密性が高く、他のあらゆる情報システムと同様に適切な保護が必要です。

以下の機能が必要です。

  • データを「エンティティごと」および「マネージャごと」に厳密に分ける
  • 理事会や人事部からのメッセージを特に保護する
  • 個人情報を確実に保護する
  • プロファイルや組織ごとに異なるアクセス権を定義する

すべてのメールやチャットをアーカイブデータ用の1つのレポジトリに統合すればやり取りをすべて記録でき、また規制要件を満たすための基本情報をすべて格納できます。

いつでも要求されたレポートをすぐに自動作成でき、必要ならば詳細なレポートも提供できます。

#4 – 添付管理を最適化することで、格納データの量を削減する

電子的なやり取りが増加しているため、メールをアーカイブするとデータ量はすぐにTBレベルに到達し、格納量は指数関数的に急速に増加します。実際のところ、同一のメールを10人に送った場合、これは10件の別個のメッセージとして物理的に保存されます。つまり全く同じコンテンツが不必要に増殖します。

こういったメッセージをインテリジェントなアーカイブレポジトリで管理すれば、同一送信者のすべてのメッセージを自動的に関連付け、重複する不必要な添付およびコンテンツを削除できます。しかし送信者と受信者間でやり取りされたすべての情報には依然としてアクセスできます。

もっと知りたい方へ

他の金融機関において、マルチ構造データの統合要件を伴うこういったユースケースなどにおいてどのように問題解決のお手伝いをしてきたのかに関する具体的なご相談については、https://www.progress.com/jp/company/contactまでぜひご連絡ください。

ステファン・マムーディ

ステファン・マムーディは、MarkLogicでヨーロッパのセールスチームを率いています。データに関連するビジネス上の複雑な問題を解決するために国際的な企業と協力した経験を多く積んでおり、お客さまにとって信頼できるアドバイザーおよびパートナーとなっています。

コメント

Comments are disabled in preview mode.
トピック

Sitefinityトレーニングと認定を開始

クラス最高のSitefinityの機能を使って、魅力的なデジタル体験を提供する方法をエキスパートがお教えします。

さらに詳しく

より優れた業務アプリケーションやウェブサイトの開発に役立つ、ニュース、情報、チュートリアルをご案内します。